石沈みて木の葉浮く

石は沈みて木の葉浮く

イラスト文章 つれづれ 学生

年賀状富豪

 早速書けることがな〜〜〜い……今日は何の話をしようか?

 はて最近、個人情報を著しく含まないもののうち私の身に何か目立ったことがあっただろうか。ああ年賀状が来た気がする。

 ならば年賀状の話をしよう。

 

 ちょっと前に書いた気がするが、年賀状を送り合うのは小学校の頃から大好きだった。だから未だに一月一日には、午前中のうちにのこのことポストを漁りに行く。

 今年は帰省したため、実家のポストを見に行った。とは言え、私宛に届いているものは全く想定していない。ポストを見に行ったのは所謂惰性である。未だに私と年賀状のやり取りをしている数少ない人々には一人暮らしの現住所の方をちゃんとお教えしているため、届くのならソッチの筈だからだ。

 そしてそれらもタダでさえ少ない、少ない。しかし私はヘコまない。

 年賀状は一度に二、三十人に送っていた時期もあった。ずっと保管しているので、今まで貰った年賀状の束は文庫本並みの分厚さになっている。人から貰った年賀状で大富豪ができる。

 友達が多いのではない。多くは学校や習い事の先生に宛てたものだった。年末冬休みの前になると、学校を駆けずり回って好きな先生方に住所という個人情報を聞き回るのだ。バレンタインとかいうイベントよりよっぽど必死だったように思う。

 今年は小学校時代の先生方の何名かと、当時のピアノ教室の先生に送った。ちゃんとお返しが来ていたので安心している。老いてゆく恩師が多いため、今や年賀状は年イチの生存確認である。

 

 だが今年、初めての相手にも年賀状を送ってみたのだ。それは高校時代の顧問である。

漫画みたいな部の話 - 石は沈みて木の葉浮く

 これの顧問。高校生にもなったので、もう先生の住所ぶっこぬき大会は開催しなかったものの、この顧問の住所だけは知っていた。上記記事には 諸事情あって知った と書いたが。

 結局一体どうやって? 顧問のフルネームでググったら出てきたのだ

 ついでに彼の電話番号も出てきたし、出身大学学部と所属サークルとそのサークル内でどのポジションについてらしたかも分かったし、ついでにその大学の同窓会にしれっと欠席していたことも分かった(本人に聞けば土曜日も仕事なのに同窓会なんか出れる訳ないよね〜と仰っていた)。顧問自身のミスだの責任ではないが、個人情報がガバすぎる。

 でそうやってまあ住所は押さえていたので、「来年度から復学するますwwwww」と報告がてら、顧問に年賀状を出したのだ。すると顧問からの年賀状返しが来た。

「元気が出たみたいで安心」

 と書いてあった。うむ、そのうちまた顔を出して目の前でカバディでも踊ってやろうかと思う。

 

 因みに「何もないやろ」と思って元旦に見に行った実家のポストだが、一枚だけ私宛の年賀状があった。連れからだ。

 無論、奴も私の現住所を知っている人間だが、どうやらこの私が帰省していることを見越した上で実家の方の住所に送ってくれたらしい。これだから奴はサイコーなのだ。

 

  石澄香

 

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