石沈みて木の葉浮く

石は沈みて木の葉浮く

イラスト文章 つれづれ 学生

ピンキリの目利きは兎も角美味い

【日記】

 作り置きおかずの消費期限でチキンレースをしがちである。一度になるべく沢山作って、どれだけ保つかを試すのだ。数ヶ月に一回、一季節に一回はやる。

 腹を壊したことはない。ので言わば私は勝ち続けている。以下本編。

 

 今日何書こうかなぁとふと口に含んだ日本酒がバリ美味かったので、日本酒の話をする。

 とはいえ飲酒し始めて一年と経っていない青二才が言う「日本酒ウマ……」なのでにわかもにわかであることを留意していただきたい

 

 初めて日本酒を買った時はもう、実に大失敗であった。何故かって安物を買って飲んだからだ。スーパーの酒コーナーに立った時、未だ

「酒って……高くないか……?」

 と思うことがある。実は大好きな紅茶リキュールもたまに値段を見ると「高……」になる。そして初めて日本酒を買って飲もうとしたその時も結局、「日本酒高……」という思考になって、スーパーの棚の前でうろうろ迷った結果、チッチェー安い紙パックを買ったのだ。

 

 何故酒が好きな癖に未だイジイジ高いのを気にするのか。理由は明快、私は炭酸を飲めないから、というのがある。

 炭酸は飲めない。苦手とかいう以前に無理なのだ。しかしながらこの世で覇権を握っている飲料は、炭酸の其れだと言わざるを得ない。私は悔しい。炭酸が飲めないせいで季節ものの美味しそうな酒を手に取り、それがスパークリングワインだと気づいた時。炭酸が飲めないせいで私は推し作品のコラボカフェで推しのドリンク(炭酸)を飲むことができなかった時。

 そして炭酸無しに限ると、単価が高い酒ばかりが選択肢にあがる時。四百円のワインは大好きですけども。

 

 炭酸への呪詛はさておいて、兎角私の感覚として日本酒は“高かった”のだ。おまけに一個あたりの量が多い。それにスマホで日本酒の種類を調べても飲んだことないからどの種類がどんな味なのか全然分からぬ。そういう訳で仕方がないので小さいパックの(値段も)小さい日本酒を買って初めて飲んだのだった。

 まぁ……不味かった。不味い。理解できん。米の香り? 米のとは? その辺りがゲシュタルト崩壊する。感想として一番近いのは「苦い」だが近いだけであって、ぶっちゃけマジで誤って毒水でも飲んだかと思った。もしかしたら「美味い!」とは感じないかもしれないな……と保険のように思いつつ飲んだ奴であったが、飲み切ることが困難であった。

 仕方がないので、日本酒を注ぐだけで果実系カクテル風になって初心者でも飲みやすくなる───というアイテムを通販で買った。しつこくない程度によく広告で流れてくるので気になっていたものだ、せめてこれで飲みやすいものとなれば幸い……

 いや不味かった。ダメだこりゃ(特定の商品をDisっている訳ではない)。

 しゃーないのでそうして残った日本酒は鶏肉にぶっかけて焼いて食べたのだった。これ以降、ワインやリキュールは買いながら日本酒はついぞ買わなかった。

 

 が、色々あって先日ヒトから良い日本酒を貰った。

 これらを献血ノベルティのお猪口でちょいちょい飲むとこれまた美味いのだ……甘い。日本酒って美味ェ!!!  只、普段お猪口を使い慣れてなさすぎて瓶から注ぐ時アホみたいに毎回零す。

 大事に飲まねば……。何故かスゲーヤベーことに瓶で三本もあるのでそうそうなくならないとは思うが。

 

  石澄香

 

【Today's 好きなもの】

 甘めの生原酒