石沈みて木の葉浮く

石は沈みて木の葉浮く

イラスト文章 つれづれ 学生

吐瀉物を見に来る人はいる

 最近シナリオを書いている。

 正確にはT○PGのシナリオを書いている。TR○Gについては面倒くさいので説明しないが、まぁ単純に言えばゲームシステムの一種である。それのストーリーを最近何故かせっせと書き連ねている。同時に四つくらい(多い!!!!!)

https://www.google.co.jp/search?q=TRPG+

 

 シナリオを書くといっても、それ程大層な規模ではない。本文にすれば大体一万字を超えることは少ないかな……というくらいなので、完璧に構成を頭の中に思い浮かべておけば最速で数時間でほぼ書き切れると思う。可か不可かで言えば前者であるという話でしかないので、私にはできない。ここ数日〜数週間、時間を空けつつじりじり延々とシナリオを書いている。内容は面白いような面白くないような、読んだ人を騙すようなありきたりなような。自分では判断がまるでつかない。

 いやもう全然、絶対これは“今やるべきこと”ではない。絶対今やるべきことではない。今、この私が何かを“やる”のなら、この一年分完全に頭から吹っ飛ばしていた理系学問の復習にでも費やす方が将来のためになるに違いないのだ(しかし同時にそれは今のメンタルに大打撃を与えることになるのも違いない)。「なんで自分今こんなことしてるんだろ〜」と嘆きながらキーボードを打っている。私の人生は大体これの繰り返しで生きてきたし、これの所為で死ぬほど困った事態に何度も陥った。

 

 シナリオを書いたってその長期的なメリットも分からない。有料頒布もしないし、このシナリオでめちゃくちゃいっぱいヒトに遊んでもらいたいという欲求もない。……いや遊んでもらえたらそりゃ嬉しいものだが。

 じゃあ何故書いているのか……とまた私は日課であり癖でもある自問自答をする。

 ぶっちゃけてしまえば「内容を思いついてしまったから」そして「書くことが可能だから」だ。更に言えば「書くという作業が楽しいから」だった。

 私には創作力がない……と嘆いた話もした気がするが、それには違えはない。喩えるならば吐瀉物だ。吐きたいしこの場に吐くことが許されているので吐くし、吐く行為でスッキリするところがある。しばしば、ストレスに腹パンされた結果として気がついたらゲロっている時もある。そして出たものは全く価値のあるものとは思えない、それに完全に無から産生されたものでもない、今まで私が飲み込んだ色んなものが胃液と共に適当に混ざったような、副生成物みたいなものである。私はよく自分の創作したものを、自己卑下などではなく純粋に吐瀉物であると喩えている。

 

 面白いのは、たまに私の吐瀉物を指して

貴方のゲロめっちゃ面白いっすねぇ!

 などと言ってくるヒトがいることだ。

「私のゲロの何処が面白いんですか!?」

 と私としては毎度のことこのように思ってしまう。お目汚しすみません……たまに致死性の刺激物も混じっているので気をつけてください……とめちゃくちゃ頭を下げることもある。しかし更に愉快なのが、そうして『お前のゲロおもろ』とヒトから言われ続けていると、次第に

「もしかすると私のゲロはめっちゃおもろいのやもしれん……

 と、自分すらも思い始めてくるところ。これがあるから自分の吐瀉物を、一旦ヒトの目に見えるところに置いてみるという露出癖的な行為がいつまで経ってもやめられない。

 

  石澄香

 

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